忙しく働くのは嫌いじゃない人でも、四六時中忙しい職場というのは心身ともに疲弊してしまいます。
薬剤師はミスが許されない職種であるにもかかわらず、仕事内容の認知度の低さやそもそも薬剤師って必要なの?という患者さんからの眼…。
「もうやってられない…」と感じているみなさん、実はのんびり働ける職場もあることをご存じですか?
『500床強の激務総合病院』→『忙しさはそこそこだけど、人間関係に疲れた個人調剤薬局』→『忙しさも人間関係もちょうど良い中小調剤薬局』
に勤務してきた筆者が、のんびり働きたい薬剤師の方へ新しい職場の選び方について説明していきたいと思います。
ワークライフバランスを整えて、自分を大事にすることはとても大切なことだよ。
についてわかります。
あなたはどの疲れ?疲れる原因あるある7選
一口に激務といっても、疲れる要因は様々です。
激務でも充実している人は充実しているはず。
ですので、自分は何に疲れているのか一度考えてみては如何でしょうか?
疲れている原因が改善できるようなら、ぐっと働きやすくなるかもしれません。
疲れる原因について7選であげてみたいと思います!
そもそも忙しすぎる
その名の通り『激務』すぎる場合です。
ひっきりなしに仕事(患者さん)が来て、しかもいつ帰れるか目途が立たない。
毎日23時くらいになる…。
患者が多すぎて、歴が溜まりまくっている…。
などなど、忙しすぎて疲れが溜まるパターンです。
薬剤師は患者さんに薬を渡したらそれだけで終わりという仕事ではありません。しかも仕事柄、ミスも許されませんので、常に頭をフル回転させてないとダメですよね。
勤務時間全てが気が抜けないくらい忙しいとなると、スタッフの数を増やして貰うしかないですが、増やせて貰えそうですか?
もしくは、機械ができることは機械にやってもらうか自分以外でも出来る仕事は他のにやってもらうかですが、どうでしょう?
「それが簡単に出来てたら、もうやってるよ…。」
という声が聞こえてきそうです…。
人間関係が悪すぎる
忙しいうえに、人間関係が悪い…。
最悪です。
特に調剤薬局なんて狭い空間の中に1日中みんないるわけですから、必ず視野に入ります。(入らないように努めても絶対入る。)
人間関係が悪いと、変に緊張してしまってミスが続く負のループに入ることがあります。
同じ仕事をこなしても3倍くらい疲れますので、これはどうにかしたいですね。
その人に出て行ってもらうか、自分が出ていくかの2択です。
自分が頑張って(人間的に)変わる!って方法もありますが、相手はかわらないのでそれをすると今度は5倍くらい疲れます。
患者の態度が悪すぎる
「あんたらなんて、医者に言われた薬を出すだけだろう。早く出せ!」
みたいなセリフ、調剤薬局やドラッグストアに勤めている方なら1度は聞いたこと(もしくは直接言われたこと)があるのではないでしょうか?
こっちは待たせないよう一所懸命に調剤して監査して、ミスがないかチェックして…と必死になってやっているのですが患者には届かず…。
病院で長いこと待たされて患者さんも疲れていることも重々わかっておりますとも。
疑義があればその分時間がかかってしまい、待ち時間が長くなることもわかってます。
怒る気持ちもわかるし、疲れているのもわかる…。
が、こちらも人間。あまりにひどい言葉は傷つきます。
場数を踏みすぎて「はいはい、この患者さんは疲れてるし、八つ当たりしたい気分だったんだね。」くらいで流せるようになったら良いんですが、なかなかその強者になれませんね(笑)。
処方内容が難しすぎる
病院勤務だと、医師に直接処方内容について聞けるのでよいです。
調剤薬局だと、難しすぎる処方内容だと冷や汗かきます。
特に専門分野に特化しすぎている先生だと、適応外処方なんてざらにあります。そういう質問をバンバンしてくる先生もいます。
門前がそういった医師が多い病院だと、薬局はてんやわんやです。
薬剤師の職能を活かせる良い機会だと捉えて勉強し続けるか、もう平和な所で働きたい…と思うかは人それぞれです。
会社からの評価が低すぎる
「仕事をこなしている割に、あまりその大変さをわかって貰えてない…。」
「もっと仕事をしろと言われる。」
「最近、ただの駒なような気がする。」
等、働きに対して評価されないのも疲れます。
あまり働いてない人が評価されていたら、さらに疲れます。
『あぁ、ここは自分の居場所じゃないんだな。』
と感じてしまって益々モチベーションが下がっていきます。
給料が見合ってなさすぎる
薬剤師といえば、あまり昇給しないです。
ポストも少ない。
管理薬剤師になると手当がつきますが、どんどん昇給していくわけではないので、
「あれ?ガンガン働いている割に、給料低くない?」
となることも。
周りと比べて20代では多いと思っていた給料も、40代くらいになってくると周りの友達の方が沢山もらってた…。なんてこともあります。
直接上司に直談判して年収UPを目指すか、転職して年収を上げるか、はたまた仕事量を減らすか…。
ここは色々な案を考えれそうです。
在宅・かかりつけなどでプライベートがなさすぎる
在宅に力を入れている薬局で、毎度帰りが何時になるか定まってない。
休みの日なのに、何度も患者さんから電話がかかってきて休んだ気がしない…。
なんだか段々見張られているようで、気が休まらない。
など、公私が分かれていないのもつらいです。
「私たちはあくまでサラリーマンであって、社長でも経営者でもないんですよ~!休むときは休ませてくだい!」
と言いたいですね。
体を壊してからでは意味がない
『疲れたな…。』と感じるのは体からのサイン。
疲れたと感じる時は、しっかり休息しましょう。
疲れたと感じれないほど感覚がマヒしてしまって、心身共に壊れてしまってからでは遅いです。
鬱になって仕事に出れなくなった…という話は案外近くにありますよ。
そうならない為にも思い切って休みをとってリフレッシュに出かけたり、のんびり家で休んだり、とにかくゆっくり休みましょう。
仕事のかわりはいますが、あなたのかわりはいません。
あなたを守れるのはあなただけです。
必ず戦わなければいけないこともありません。逃げるが勝ちってときもあります。
是非、自分を大切にしてください。
のんびり働ける職場の特徴
先程あげた原因の中で、あなたはどれに疲れているか明確になったでしょうか?
どの原因で疲れているかが明確になれば、そこを避けることでより自分にとってのんびりと働ける職場になるでしょう。
自分にとってのベストな職場を見つけたいですね!
のんびり働くことのメリット5選
心に余裕が持てる
あまりに忙しいと、心に余裕が持てません。
そればかりか、時間内に終わらすことや処方箋を捌くことにばかりに気を取られてしまいます。
穏やかな時なら気にならないことでも、イライラしやすくなり怒ってしまったり物に当たってしまったりすることもあるでしょう。
「あぁまたイライラして、職場の雰囲気を悪くしてしまった…。」
と自己嫌悪に陥ることもしばしば。
のんびり働けば、心に余裕が持てます。他の人の仕事のカバーも出来ますし、自分のペースで働けますよ。
患者さんにゆっくり説明ができ、やりがいを感じられる
忙しい職場では、患者さんとゆっくり話をすることも出来ません。
必要最低限のことを説明して、それでおしまいです。
患者さんのほとんどはこちらが忙しそうなのを察してくれますから、聞きたいことがあっても我慢される方も多いのではと思っています。
反対にのんびりと働ける会社だと、説明もゆっくりできますし、ちょっと本題から逸れても大丈夫。
些細な会話の中で、
「えっ!それって薬のせいだったの!?知らなかった、対処法まで教えてくれてありがとう。」
と言われたこともあります。
患者さんの役に立った!とやりがいを感じられる瞬間で、忙しい職場だとなかなか難しいのではないでしょうか。
空いている時間に勉強できる
処方内容や服薬指導の時に「あれ?これってどうだったっけ?」ってなることありませんか?
患者さんから質問されることの中にも、全く知らないことに遭遇することもあります。
時間があればサッと復習ができたり、全く知らないことについて調べたりできます。
忙しいとこれが中々難しく、本当にチラッと見て最低限確認するだけか、後で調べようと思って次の日になっているか…。
『わからないことが出来たらその場で調べて覚える』
のんびりと働ける職場は、これができるのが強みです。
定時に帰れる
『いつも何時に終わるかわからない。』
って、予定が立てにくいですよね。
夜遅く帰って、後は寝るだけになってしまいます。
定時に帰ってゆっくりとプライベートの時間を過ごせます。
帰宅後もやりたいことに力を注げる
1日中仕事で走り回って頭も体もフル回転し続けると、帰ったらぐったりです。
ご飯食べてお風呂入ってたらいつの間にやら睡魔が…。
というのは日常茶飯事。
のんびりと働ける職場では、そこまでフルで全てを使わないので帰宅後も割と体力が残っています。
ですので、勉強もできますし、仕事以外の自分のやりたいことに時間を割けます。
のんびり働くことのデメリット3選
暇な時間がある
例えば適度に患者さんが来る薬局では大丈夫ですが、あまりにも患者さんが来ないような薬局では時間を持て余す可能性があります。
ですがこれも働く会社次第です。
『暇すぎてやることがない!』という会社もあれば、『暇な時間は自分で考えて好きなことをやってもよい。』みたいな会社もありますから、一概には言えません。
もし後者のような会社だと、自分が考えた業務をしても良いのである意味メリットになるかもしれません。
適度な勉強は必要
のんびり働くということは、処方箋に触れる回数も必然的に少なくなってしまいます。
使わない薬ってどんどん忘れていきますからね…。
新薬はどんどん出てきますし。
「全部忘れちゃった!」「もうぼんやりとしか覚えてない。」「こんなの聞いたことない。」
とならないように、適度な勉強は必要です。
一緒に働く薬剤師数は少なめ
のんびり働けるような会社では、1~3人と薬剤師が少ないことが多いのではないでしょうか。
相談したいときもあると思うので、そのような時には少し困ります。
それにそれだけ少ないと言うことは、人間関係がとても大切になってきます。
こんな職場は避けて!
社長や上司に魅力がない
社長(経営者)や上司にそもそも魅力がない職場=人間関係に魅力がない
と思ってよいと思います。
その人たちの下で働くのですから、上司たちが魅力がない会社はやめましょう。
社長や上司の考え方に賛同できれば、多少難しい仕事が入ってきても乗り越えれるでしょう。
管理薬剤師をおしてくる
やたらと管理薬剤師を押してくるような会社も避けたほうがよいでしょう。
やはり管理薬剤師は業務も多いですし責任も大きいです。
そもそも人員が足りてないのかもしれません。
ただ『1度は管理薬剤師を経験してみたい。』という人は、激務な職場より緩やかな職場で経験してもよいかもしれませんが、のんびりと働きたいことをメインに考えるのならおすすめしません。
在宅に力をいれている
在宅にお薬を届けるには移動時間が必要です。
薬剤師数が多いところは1人抜けたところで仕事が回るかもしれませんが、薬剤師が1・2人のようなところは閉局してから持っていかなくてはならないような場面もあるでしょう。
また報告書の作成等もありますから、拘束される時間が長くなります。
職場選びに失敗しない方法
職場選びの順番ですが、
で失敗しにくくなると考えています。
優先順位をしっかり立てよう
まずは優先順位を考えましょう。
- できたら入っていて欲しい条件
- 譲れない条件
- どちらでもよい条件
全て自分の条件が叶うのは難しいですから、どのような職場がよいか?優先順位を3つくらいにわけて考えてみましょう。
そうすることで、転職のミスマッチを減らすことができます。
給料はしっかりチェック
お金は自分の生活に直結してきますから、もらえるお給料は必ずチェックしましょう。
不思議なもので、お給料って低いと仕事のモチベーション下がるし、かといってお給料が高いだけ(職場環境が悪いとか)だと続かないし…。
やはりバランスが大事です。
今より下がるのか上がるのかもしっかりチェックして、得られるもの得られないものをしっかり区別して決めましょう。
転職サイトを活用して、内部まで知ろう
気になる職場に知人がいたら、話を聞くのも良いでしょう。
ですが沢山の職場をみて、その中から自分で選んで決めるのがよいと思います。
既に使っている・または利用したことがある方は多いと思いますが、転職サイトを利用して職場の内部まで詳しく教えてもらいましょう。
薬剤師転職サイトのファルマスタッフは、職場の雰囲気まで教えてくれることがあります。中には、転職エージェントが実際にその職場まで足を運んで、実際の雰囲気などを伝えてくれることも!
人間関係で特に悩んでいる…という方には嬉しいサービスなので、利用してみる価値はあると思います。
気になる職場が見つかったら、必ず見学に行ってみてくだいね。
薬剤師は異業種転職あり?
結論から先に言いますと、私は薬剤師の異業種転職はありだと思います!
「もう薬剤師として働くの疲れてしまった…。」
という場合は思い切って違う職種に行くのも良いかもしれませんね。
といっても、せっかく薬剤師の免許を取ったのに使わないのは勿体ない気がしちゃうし気が引ける…。
薬剤師は正社員・パート・派遣と働きかたも自由に選べるので、薬剤師をやりつつ他の仕事をやってみるとかでもありだと思っています。
免許を活かしつつ全く違う仕事をするでも良いし、心機一転免許なんて関係ない!という職場で働くのも良いでしょう。
など、薬剤師資格を活かせる職業は沢山あります。
ちょっと話を聞いてみたい!とい思われる方は、マイナビ薬剤師・マイナビ転職に聞いてみるのがおすすめ。
私はマイナビ薬剤師を利用したことがありますが、他の就職相談にものってくれるとのことでした(その時はマイナビ転職につないでくれるそう)。
話を聞くだけでの利用もOKとのことでしたので、利用してみても良いかもしれませんね。
まとめ
のんびり働ける会社はあります。
『なんだかもう疲れた…。』
という人は、今がワークライフバランスを見直すよい機会なのかもしれません。
ずっと一生懸命働かれたのではないでしょうか?
今後について家族や同僚に話を聞いて貰うもよし、転職サイトを使って有益な情報を集めるもよしです。
時間は有限です。のんびりと働きつつ自己研磨することはもちろん出来るので、時間を大切に使ってくださいね。
将来どうなりたいのか?どのような生活をしたいのか?をしっかり考えて、自分が望むワークライフバランスでストレスなく働きましょう♪
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